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姿勢チェック用の写真の撮り方:研究の撮影条件をもとに、正面と横向きを毎回同じに撮る

姿勢チェック用の写真は、スマホを縦向きで水平に固定し、腰から胸くらいの高さ、2.5〜3mほど離れた位置から、体の輪郭がわかる服でいつもどおりに立って、正面と横向きを1枚ずつ撮ります。姿勢写真の研究では、カメラは被写体から約1.9〜3mの位置に置かれており、2.5〜3mはその範囲から私たちが選んだ目安です。距離、高さ、服装、立ち方の手順は、公開されている研究の撮影条件をもとにしています。
準備するもの
- スマホ:撮影はどの機種でもかまいません。PoseAlignで分析する場合はAndroidが必要です。
- 固定する道具:三脚が理想です。なければ棚や椅子に本を積んで立てかけます。手持ちは角度がぶれるので避けます。
- セルフタイマー:一人で撮るなら10秒タイマーが便利です。
- 床に貼るテープ:立ち位置とスマホの位置の印に使います。
- 無地の壁と明るい場所:背景に物が少なく、体の輪郭がはっきり見える場所を選びます。
1. スマホを2.5〜3m離して置く
公開されている研究の撮影距離は、姿勢評価ソフトSAPOの検証研究で1.9mと2.52m(Ferreira et al., 2010, Clinics)、姿勢評価アプリPostureScreen Mobileの研究で約2.4m(8フィート、Szucs and Donoso Brown, 2018)と約3m(10フィート、Boland et al., 2016)、首の角度を測った2024年の研究で3m(Titcomb et al., 2024)でした。家庭でスマホを使うなら、私たちはこの範囲の遠いほう、2.5〜3mを目安にしています。
離れて撮るのは、レンズのゆがみを減らすためでもあります。成人男性24人を撮ったマレーシアの研究では、身長1.8mの人がゆがみの少ない画面の中央部分に収まるよう、カメラを7m離していました(Sieman et al., Borneo Journal of Medical Sciences)。家で7mは必要ありませんが、体が画面の端から端まで埋まるほど近づくのは避け、全身を入れるために超広角(0.5倍)レンズに切り替えないでください。広角レンズは画面の端の形を引き伸ばします。部屋が狭くて2.5m取れないときは、全身が上下に少し余白を残して入るいちばん遠い位置を決め、毎回その距離で撮ります。
2. 腰から胸の高さで、スマホを水平にする
スマホは縦向きにし、レンズを腰から胸くらいの高さに置いて、床と垂直に立てます。Bolandらの研究ではタブレットを床から約1.4m(4.5フィート)の高さに置いていました。先のマレーシアの研究では、カメラの高さを床から70cmと100cmで比べても、測定値に有意な差はありませんでした。こうした結果から、私たちは高さを数cm単位でそろえることより、スマホを傾けずに水平に置くことのほうが大事だと考えています。上から見下ろしたり下からあおったりすると、写真の中の水平線と垂直線が傾き、それを基準にした角度がずれます。
写真による姿勢評価の研究をまとめたレビューも、研究どうしで値を比べられるよう、カメラの高さ、被写体とカメラの距離、使うソフトをそろえるよう勧めています(Singla et al., 2017, Journal of Chiropractic Medicine)。決めた高さと距離は、床と棚にテープで印をつけておきます。カメラアプリのグリッド表示をオンにすると、傾きに気づきやすくなります。

3. 体のラインがわかる服を、毎回同じにする
Tシャツとショートパンツやレギンスのような、体に沿う服で撮ります。PostureScreen Mobileを10人で調べたBolandらの研究では、服を着たままより薄着のほうが評価者どうしの結果がそろい、特に肩先や肋骨など上半身の目印を使う項目で差が出ました。骨盤の前の出っぱりや大転子(太ももの付け根の外側)のように外から見えにくい目印を使う項目は、一致度が低いままでした。この研究は人が写真上に点を打つ方式ですが、輪郭が見えにくいと点の位置があいまいになる点は、アプリが自動で点を置く場合も同じだと私たちは考えています。
- ゆったりしたパーカーやロングスカートは、肩や腰、膝の位置が隠れるので避けます。
- 髪が長い場合はまとめて、横向きの写真で耳と首まわりが見えるようにします。
- 裸足か、毎回同じ靴で撮ります。
- ポケットの中の物、ベルト、大きなアクセサリーは外します。
体にシールなどの目印を貼る必要はありません。研究では、測定者が手で点を打つときの助けとして骨の出っぱりにマーカーを貼りますが、点を自動で検出するアプリは写真に写った体の形を使うので、服装と明るさのほうが影響します。
4. いつもどおりに立つ
撮影のときに胸を張ったり、お腹をへこませたりしないでください。知りたいのは普段の姿勢です。何度か足踏みしてから足を腰幅に開いて止まり、深呼吸をひとつしてそのまま撮るのが簡単な方法です。撮る時間帯もできるだけそろえます。
5. 正面の写真:顔、胸、つま先をカメラに向ける
- 立ち位置の印の上に立ち、足を腰幅に開きます。
- つま先の開き具合を毎回同じにします。
- 腕は力を抜いて体の横に下ろします。手を腰に当てたり、ポケットに入れたりしません。
- 視線はまっすぐ前へ向け、あごを引きすぎたり上げたりしないようにします。
体が少しでも斜めになると、左右の肩や骨盤の高さが違って写ります。足の向きも数値に影響します。62人を撮った研究では、立った姿勢のQ角(骨盤の前の出っぱり、膝のお皿、すねの骨の出っぱりを結んでできる角度)は、足を平行にそろえた場合とつま先を外に開いた場合とで、左脚には有意な差がありましたが、右脚にはみられませんでした(Sanchez et al., 2014, Acta Ortopédica Brasileira)。PoseAlignの正面の測定には左右のQ角と足の位置も含まれます(正面の姿勢分析)。写真で左右の肩の高さが違って見えるときの確認手順と限界は肩の高さを撮り直しで確認する方法で説明しています。
6. 横向きの写真:体ごと真横を向く
- 正面と同じ立ち位置で、顔だけでなく肩、骨盤、足ごと90度向きを変えます。
- 左右どちらを向くかを決め、次回からも同じ向きで撮ります。
- 耳、肩、腰、膝、くるぶしが髪や服、腕で隠れないようにします。
- 視線は進行方向に向け、カメラを見ないようにします。カメラを見ると首がねじれ、頭の位置が変わります。
PoseAlignは横向きの写真から頭部前方傾斜角と骨盤傾斜角を測ります(側面の姿勢分析)。どちらも頭や骨盤のわずかな角度を見る項目なので、肩がカメラ側に少し開くだけでも値が変わります。理学療法士やトレーナーに見せる場合は背面の写真も求められることがあります。PoseAlignは正面と横向きの2枚を使いますが、背面を撮るときも同じ立ち位置で、カメラに背を向けて撮ります。
7. 明るさと背景:輪郭をはっきり写す
写真をもとにした測定は、カメラの解像度や照明の条件にも影響されると指摘されています(Karbalaeimahdi et al., 2025, Scientific Reports)。
- 窓を背にすると逆光で体が暗くなるので、光が体の前から当たる向きで撮ります。
- 白い壁の前で白い服など、背景と服が同じ色になる組み合わせは避けます。
- 鏡越しの写真は左右が反転し、角度もつきやすいので使いません。
- 家具やほかの人が体に重なって写らないようにします。
撮ったあとに確かめること
| 写真の状態 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 頭や足先が切れている | キーポイントが置けない、またはずれる | スマホを離すか、上下に余白をとる |
| 正面写真で体が少し斜め | 肩や骨盤の左右差が実際と違って写る | つま先と胸がカメラを向いているか確かめる |
| 横向き写真で肩がカメラ側に開いている | 側面の角度が正しく測れない | 骨盤と足ごと90度向きを変える |
| 髪や服で耳や膝が隠れている | 目印の位置があいまいになる | 髪をまとめ、体に沿う服にする |
PoseAlignでは、2枚をAdvanced check(詳細チェック)の正面と側面の欄に入れてレポートを作ります。作成後、写真に重なったキーポイントが頭、肩、腰、膝、足首に合っているかを見て、ずれていれば撮り直します。画面ごとの流れは使い方のページにあります。

次回のために、条件をメモする
撮り終えたら、次の項目をスマホのメモに残します。次回はこのメモどおりに撮れば、前回と比べられる写真になります。
- 撮影場所と、床の印の位置
- スマホの高さと、立ち位置からの距離
- 服装と、裸足か靴か
- 横向きで向いた方向(左右)
- 撮影した時間帯
条件をそろえても、写真から測る数値は毎回少し動きます。どのくらいの差なら撮影条件のぶれと考えられるかは写真で姿勢分析はどこまで正確?で、壁や写真を使ったチェック全体の流れは自宅で姿勢をチェックする方法でまとめています。